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ここでは全館空調が使われている家の特徴やメリット・デメリット、注意点などについてまとめています。
室内にある空調を一括で管理するシステムを全館空調と言います。部屋全体の温度を調整してくれるので、家の中の温度差が少ないのが特徴。温度差で血圧が大きく変動するヒートショックになる危険性を減らすことができます。
カビの原因はズバリ湿気。日本の湿気が多い気候は、カビの大好物です。家の中にカビを発生させないためには、どの部屋も一定の湿度を保っていることが重要。全館空調なら、それが実現できるのです。
ダニが好むのは、カビと同じく湿気。だから布団などに発生しやすいのです。ダニを発生させないためには、家の中の湿度を一定に保つことが重要です。家の部屋中の温度や湿度を一括で管理する全館空調なら、年間通して快適な湿度をキープできるので、ダニが発生しにくい環境を作ることができます。
アトピーを悪化させる要因はいくつかありますが、そのひとつに「乾燥」があります。近年では、新生児期のうちから保湿剤を塗っておくと、アトピーのリスクを軽減できるという研究結果も出ているほど、乾燥とアトピーは密接に結びついています。全館空調の家なら、程よい湿度をキープできるので、肌にもいいと言えます。
寒暖差は喘息発作を引き起こす原因のひとつです。冬の朝や深夜に喘息発作が起こりやすい…という場合は、寒暖差を疑うといいでしょう。全館空調を設置していれば、家の中の寒暖差はなくなるので、喘息を持っている人にとって過ごしやすくなります。
家全体を暖めてくれるので、温度差が少ないのが一番のメリット。一般的な家ではリビングや寝室などは温かくても、トイレやお風呂の脱衣所、廊下部分は寒いまま。するとトイレや脱衣場に行くのがおっくうになってしまいますよね。温度差が少なければ、家全体で快適に過ごせるでしょう。また、室内に温度差があると心筋梗塞や脳卒中が起きる「ヒートショック」の危険性が高くなります。しかし温度差の少ない全館空調ならヒートショックのリスクがほとんどないので、高齢者や体の弱い方がいる家庭にもおすすめです。
さらに、エアコンの耐久年数が長いのもメリットの一つ。一般的な家庭用エアコンは約8~10年が寿命なのに対し、全館空調の寿命は約30年と、約3倍も長持ちします。
全館空調には初期費用が高いものが多いというデメリットがあります。目安として40坪だと150万円以上、中には200万円以上するものもあるようです。200~300万円前後が平均的な相場です。家庭用エアコンの大体の相場は1台約10万円。それをリビング・寝室・子ども部屋(2人)に1台ずつ設置しても40万なので、約4倍以上高くつきます。
全館空調の場合は家のあちこちに吹き出し口があるため、過乾燥気味になる事があります。また、全館空調とセットなのが高気密住宅。この高気密住宅では、冬場の乾燥は強くなる傾向があります。そのため、加湿器は必須になるでしょう。夏場であれば、湿気がなければ室内干しの洗濯物が乾きやすくなるなど嬉しい点もあると思いますが、冬場に乾燥がキツイのはデメリットでしょう。
全館空調では、全館一括管理のため、すべての部屋が同じ温度帯になるように調整されます。その為、それぞれの部屋の温度調整が出来きないのがネックです。使用していない部屋の温度を調整したり、暑がりや寒がりな子供部屋だけ、温度を変えるなど、細かい調整がききません。
故障はそう頻繁に起こるものではないでしょうが、もし、真夏や真冬に故障するとかなりキツイでしょう。全館空調は、1つの機械で家全体の空調をコントロールしているので、一度機械が故障してしまうと、家の空調が全て止まってしまうのです。全部のお部屋のエアコンが効かないとなると、生活にかなりの支障が出てくるでしょう。もちろん、故障しないように定期的なメンテナンスが必要になります。
こだわった間取りや吹き抜けなどを作るという希望がある場合は、この点もデメリットになるでしょう。
「全館空調にすると電気代が高くなるのでは…?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。確かに、家の中全体を常に管理していると考えると、電気代が高くなりそうなイメージがあります。しかし、むしろ全館空調にした方が節電に適している場合も。こちらでは、全館空調で電気代が節約できる条件についてご紹介します。
電気代を安くできる全館空調の条件とは、現在のエアコンの使い方が、次のような条件に当てはまっている場合です。
つまり、家の中を細かく仕切るような間取りになっていて、それぞれの部屋にエアコンがついているということが条件です。さらに、それらのエアコンを長時間つけているようなら、全館空調にしたほうがお得でしょう。もちろん、使っているエアコンや建物の大きさ、部屋の大きさによって差が生じますが、家の中で使っているエアコンの数が多ければ多いほど、全館空調がお得になる可能性は高いと言えます。
暑さや寒さが厳しい地域に住んでいるという場合、エアコンや床暖房、ストーブなど、様々な機器を使っていることでしょう。そして、気候が厳しい地域では、それらの機器を駆使したとしても、設定温度を極端に高く、もしくは低くして、稼働時間を長くしなければならないという状況が考えられます。このような場合は、全館空調にしたほうがお得になる可能性が高いでしょう。
全館空調なら多くの冷暖房機器を用意する必要もなく、コストを抑えて快適な住空間を作り上げることができます。全館空調とエアコンを比較してみると、全館空調は導入費用がエアコンよりも高いため、敬遠されがちな面があります。確かに初期費用は全館空調のほうが高いですが、長い目で見た場合は、エアコンのほうがコストが高くなる可能性もあるのです。
その理由は、機器の耐用年数の違いから発生します。エアコンの耐用年数は一般的に10年と言われていますが、全館空調の場合は15年です。つまり、50年間利用すると考えた場合、エアコンは5回取り替えなければなりませんが、全館空調なら3回程度で済みます。さらに、エアコンを複数台使用しているお宅であれば、その分エアコン購入費用もかさみます。長期的な目で見ると、耐用年数といった点も考慮してみるとよいでしょう。
ここでは、全館空調の家を建てた人のいい口コミ・悪い口コミや評判を紹介しています。全館空調のメリットとデメリットも解説しているので、ご一読ください。
全館空調の家を建てるときの注意点は、こまめにメンテナンスができるものを選ぶことが大切です。たとえ住み心地がよくても、メンテナンスが面倒であれば快適な家とは言えません。点検や修理が必要になったときも、すぐに対応できればストレスなく過ごせるでしょう。
「年中快適に過ごせる」などのメリットがある一方で、「コストが高い」「メンテナンスが面倒」というデメリットも見られます。しかし最近では、コストを抑えた全館空調や温度調節が簡単な全館空調もあります。また、手入れが簡単な全館空調に似たシステムを開発した工務店もあります。全館空調は工務店やハウスメーカーによって違いがあるので、快適に過ごす手段を調べてみてはいかがでしょうか。
ここでは、このサイトで紹介するハウスメーカー・工務店の全館空調について紹介します。「全館空調」とひとくくりにもできますが、実際取り入れているシステムなどは会社によって様々です。
センターダクト換気の特徴は、これまでの全館空調と給排気経路を変えることで、冷暖房が自然の風に近くなり快適。生活臭や介護臭などが気にならなくなるほどスッキリと換気をしてくれると言います。また導入するのはエアコン1台だけなので、初期費用や継続費用も安いのが魅力。
近代ホームの全館空調は株式会社FHアライアンスが開発したマッハシステムを使用。家庭用エアコン1台で家中の冷暖房と換気を可能にしたシステムになります。
住友林業オリジナルの全館空調です。冷房・暖房・空気清浄・換気・除湿といった全館空調の基本システムに合わせて「外気冷房」という機能が搭載。外の空気が心地よいときは、外気冷房で自然の風を家中に運ぶことができます。
セキスイハイムでは空気工房プラスという全館空調システムを採用しています。高性能の3層フィルターで綺麗な空気を部屋に運び、空調ユニットで部屋全体の室温を保ちます。
三井ホームの全館空調スマートブリーズ・プラスは、累計1万6千台以上の設置実績を誇っています。曜日別スケジュール運転で、消費電力を抑えることが可能です。
ミサワホームの全館空調は、「熱交換型24時間フロアセントラル換気システム」と「天井埋込型プラズマクラスターイオン発生機」が部屋の空気にキレイにし、快適な室温を保ちます。しかしトイレと浴室には使われません。
床暖房配管内に冷水を流せば夏は床冷房、温水を流せば冬は床暖房として温度調節ができます。換気システムは住宅関連機器メーカー長府製作所と共同開発。季節に合わせて外の空気を冷やしたり暖かくして部屋の中に取り込みます。