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家族がいつまでも健康に過ごせる家にするために、家の素材や工法の工夫と同じくらい重視すべきなのが日々の掃除。せっかくの健康住宅を台無しにしない、掃除のしやすい注文住宅づくりのポイントを解説します。
段差や角はホコリが溜まりやすいため、できるだけ真四角の間取りに設計すると掃除が楽になります。とくに滞在時間が長いリビングとダイニングはすっきりした間取りにできると良いでしょう。
部屋の間取りやデザインを考える際には、実際に暮らすときの使い勝手の良さ、さらには掃除しやすさにも目を向けてみましょう。
例えば、フローリングの間にごく細い隙間があったとすると、掃除は一気に手間が増えてしまいます。
また、現在ではロボット掃除機に大まかな掃除を任せている家庭も増えてきています。ロボット掃除機は凸凹や段差に弱いので、使用する予定の方は、やはりフラットな状態が理想的です。
あちこちに物があり床が見えない状態だと、掃除機や雑巾がけができません。毎日必要になる必需品や服、だんだんと増えていく子どものおもちゃなど、使いやすい場所に収納できるスペースがあるかを確認しましょう。季節ものを収納するためにロフトをつくるのもおすすめです。
また、収納はあればいいというわけではありません。適切な場所に、適切な大きさの収納が必要です。荷物を片付けるとき、あちこちに運んでいたら疲れてしまうでしょう。そこで収納は、なるべく色々な場所に点在させるようにするのがコツです。
日常的な使用でどうしても汚れやすいのが水回り、とくにトイレと洗面所です。必要以上に間取りを広くとらないのが掃除の手間を抑えるコツ。また各メーカーごとに掃除のしやすい機能や、汚れがつかない工夫が取り入れられているため、導入を検討してみましょう。
導入予定の家電や生活をイメージして設置場所を決めるコンセント。掃除中もシミュレーションして検討しましょう。コード付きの掃除機を使用する場合、コンセントの位置を計算しておかないと届かない場所ができてしまう可能性があります。
また玄関や廊下にも忘れずコンセントを設置しましょう。家電製品を置かないからとなくしてしまうと、掃除機が使えずに困ります。
家の中におけるコンセントの位置や数は、掃除のしやすさにも関わってくる要素です。自分が普段どのように掃除機をかけるか、しっかりとイメージしながら決めることが大切です。
ただし、ペットを飼っている家庭、まだ子供が小さい一家などの場合は、コンセントの位置をあえて不便な位置にするなどの配慮も逆に必要になることがあります。
家事には「動線」という言葉があります。「家事動線」とは、家事をする人が移動する際の経路の意味。キッチンで朝ご飯を作り、洗濯をし、リビングを掃除し……など、家事をする人は常に家の中を動き回っています。この動線が、もしも動きづらい経路だとしたら、それだけ家事をする人に負担がかかることになります。
掃除しやすい家を目指すなら、まずはこの家事動線を意識することが大切です。部屋と部屋の出入り口の位置や、移動にかかる時間など、家事動線はなるべく動きやすい経路にしたいところです。
部屋の中には特に汚れやすい場所があります。キッチン、及びダイニング、トイレやお風呂などの水廻りは特に、汚れにくく、かつ掃除しやすい資材を採用したいところです。
例えば、フローリングには色々な種類があり、汚れにくく、掃除しやすい加工をほどこしているものがあります。
水汚れにも強く、衝撃を吸収する力にも長けているのがクッションフロアです。キッチンを始めとした水廻りに敷くと各段に掃除しやすくなります。柄が豊富なのも便利な点。
大きな窓は光が差し込み、部屋も明るくなって開放的なもの。憧れる人も多いと思いますが、都市部ではプライバシーの問題から、大きな窓を設置する住宅は減ってきているようです。大きな窓を設置したとしても、外からの人目が気になり、結局カーテンを閉めっぱなしということも少なくはありません。
また、大きな窓は高さもあり、窓拭きする際に脚立が必要であったりと、汚れを落としにくい傾向があります。
そこで窓は、部屋に適したものを必要な位置にだけ設置するのがおすすめです。
掃除する上で時間がかかる場所といってすぐに思い浮かぶのはどこですか? ふと、油汚れのつきやすいキッチン廻りが頭に浮かんだ人も多いのではないでしょうか。
キッチンなど特に普段から汚れやすい設備には、家を建てる際に掃除しやすい素材を選ぶのがおすすめです。
ワークトップ(天板)やシンクにステンレス素材を使用するケースがよくありますが、水垢や油汚れが残りやすくこまめなお手入れが必要になります。できるだけ掃除の手間を抑えるなら人工大理石やセラミックがおすすめ。油や水をはじくコーディングがされているため、さっと拭くだけで汚れを防いでくれます。
凸凹があるほど掃除は大変になるので、フラットなIHコンロはガスコンロに比べて掃除がしやすくなっています。ただガスコンロも以前より掃除のしやすいタイプが出ているため、素材や機能を確認して導入を検討しましょう。
コンロ周りの壁はタイル以外のフラットな素材にするのがおすすめ。タイルとタイルの間の目地に汚れがたまりやすく、掃除しづらいためです。フラットな状態にして、汚れたときにさっと拭くのが良いでしょう。
汚れやすい場所はあらかじめマスキングテープやシートで保護しておくと、取り変えるだけで良いので便利です。排水カゴを2つ用意して毎晩食洗器で洗う、クリーナーや布巾といった掃除用具を手の届く場所に配置する、などちょっとした日々の工夫でも掃除の手間を減らせます。
家の顔でもある玄関、いつでもすっきりした状態にできるように収納に工夫が必要です。靴や傘、レインコート、ベビーカー、遊具などが入るスペースがあるかを要チェック。生活していくうちに荷物が増えることを見越した設計が大切になります。
家に上がるまえに手洗い・うがいができ、汚れを落とせる洗面台を玄関設けると便利です。部屋の中に汚れを持ち込まないようにして、掃除の手間を抑えます。鏡をつければ出かける前の身だしなみチェックにも役立ちますよ。
灯台下暗し……というべきでしょうか。掃除に使う掃除機、皆さんはきちんとメンテナンスしていますか?
ほとんどの方が、掃除をするときは掃除機を使うのではないでしょうか。しかし、意外とその掃除機が汚れているのです。吸い込んだゴミならこまめに捨てているという場合でも、フィルターはどうでしょう。掃除するとき毎回とまでは言いませんが、定期的にフィルターをチェックし、汚れているのなら交換したり洗ったりしてください。ゴミや埃がフィルターに溜まり過ぎると、掃除機が詰まったり、故障の原因になりかねません。
エアコンの上部は人の目の高さより上であることが多く、チェックを怠りがちな場所。普段は見えませんが、埃がたまっている場合があるので、掃除する際はきちんと汚れを落としておきたいところです。
また、エアコンの中を確認したことがない……という方は要注意。フィルターは埃がたまりやすので、1か月に1度は綺麗にするようにしましょう。機種にもよりますが、埃を取り除くだけでいいものや、汚れていたら交換するタイプなどさまざまです。
もしも、エアコンからの送風が匂うようであれば、中にたまった埃が湿気を帯び、カビが発生しているかもしれません。その場合は業者にエアコンクリーニングを依頼するという方法もあります。
食べ物を出し入れする冷蔵庫の周りには、食べ物のカスや、こぼした飲み物のベタつきが多く見られます。こうしたカスやベタつきには埃が付着しやすく、カビの発生にもつながってしまいます。冷蔵庫の周囲は特に念入りに掃除するのがおすすめ。
また、冷蔵庫の後ろや上下も埃のたまりやすいスポットです。ハウスダストの原因にもなるので、長い柄のついた掃除用具などを駆使して、なるべくこまめに掃除しましょう。
電子機器にも色々ありますが、特にデスクトップパソコンは埃が溜まりやすいことで知られています。デスクトップパソコンの内部では常にファンが回っており、外部から取り入れた空気で電子機器を冷却しています。その際、埃も巻き込んでしまうため、外部の格子の周囲、そして内部にもどんどん溜まっていきます。
パソコン内部に埃が溜まり過ぎると、オーバーヒートやスローダウンの原因になります。故障の原因にもなりかねないので、可能であれば数年に1度はデスクトップパソコンの内部を開け、埃を取り除くのがおすすめ。電子機器にふれないよう、埃を吸着するような掃除用具でそっと取り除きましょう。開けて、また閉じるだけなら、マニュアルを読めばさほど難しいことではありません。
リモコンやスマホは、毎日頻繁に手でさわるもの。スマホはあまり表面が凸凹していないため掃除も楽に済みますが、ボタンがたくさん並んでいるリモコンはというとそうはいきません。
お菓子を食べた手でついついさわりがちですし、ボタンの周囲は特に手垢や汚れがつきやすくなります。
もしもリモコンボタンの周囲が汚れているようなら、綿棒などを使って掃除していきましょう。頑固な汚れは綿棒にエタノールをふくませてから拭くと綺麗に取れます。