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カビ

ここでは、カビが発生する原因や対策方法、カビが住んでいる人にどのような影響を与えるのかについてまとめています。

カビが発生する原因

換気や断熱が充分ではない住宅では湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境。

窓ガラスが結露するような状況であれば、早急なカビ対策が必要です。しかし結露はいくら拭き取っても、原因を根本から解決できなければ解決に結びつきません。カビを発生させないような住宅にすることで、カビを原因とするアレルギーを防ぐ必要があります。

温度が原因でカビが生える

カビには快適に過ごせる温度があり、最も多くの菌に好まれる温度が0~45度程度です。つまり0~45度くらいでカビが増えやすくなり、50度以上の温度で死滅しやすくなると言われています。

ただ、カビの中には120度以上の高温で長時間加熱しなければ死滅しないものも存在しており、必ずしも乾燥機などで全てのカビが死滅させられるわけではありません。家全体を120度の灼熱にするわけにもいかないため、温度のコントロールだけでカビを死滅させることは難しいでしょう。

栄養があるとカビは増える

カビも人間と同様に生物なので、栄養は必要不可欠です。基本的にカビは様々なものを栄養素としており、家の中のホコリもカビの栄養源となっています。木材も栄養源の一つなので、カビの栄養を完全に断つことは難しいでしょう。それでもカビを放置してしまえば健康被害だけでなく、木に悪影響もきたします。家の耐久性にも支障をきたしてしまうので注意が必要です。

酸素もカビが増える原因の1つ

カビは酸素がなければ活動ができません。そのため真空状態にすれば、カビの活動は完全に停止してしまうのです。しかし家という空間を真空にしてしまえば、私たちも生きられなくなってしまいます。

また一時的に真空状態にしたとしても、カビは死滅したわけではありません。酸素がある状態に戻せば、カビは一気に増殖してしまうでしょう。つまり家の中で酸素をなくし、カビ対策をしようという考え方は意味がないと言えます。

水分があると増殖してしまう

カビも微生物なので、存在するために水分が欠かせません。カビは周辺の湿度の影響を受け、湿度が下がれば不活性化し、増殖しにくくなるという報告もあります。それらの報告から見ても、カビの増殖に水分は必要な要素と言えるでしょう。もちろんカビの種類でも水分の必要な割合は異なってきますが、湿度が60%以上だと増殖しやすくなるカビが多いようです。

カビが増殖しやすい環境は菌も存在しやすくなるので、湿度をコントロールすることが大切でしょう。

カビの種類

クロカビ

クラドスポリウムとも呼ばれるカビの一種で、風呂場の壁などで見かけるカビのことです。住宅内だけでなく、ケーキや野菜などの食品や衣類などにも生えることがあり、暗緑色から黒色の点々の集まりのような見え方をします。

低温や乾燥にも強い性質を持っており、空気中に浮遊しているカビの中で多いカビです。このカビは、気管支喘息のアレルギー症状を引き起こす原因物質ともいわれています。

アオカビ

ペニシリウムとも呼ばれるカビのことで、ブルーチーズに寄生しているカビとしても有名です。またペニシリンという抗生物質もアオカビから発見された薬剤で、私たちの生活になくてはならないカビとも言えるでしょう。常にアオカビの胞子が空気中を浮遊しており、放置しすぎたミカンやパンなどが青っぽくなるのはアオカビが原因です。

アオカビ自体に病原性はありませんが、アオカビが増殖した食べ物を摂ってしまい体内に入ると気管支喘息などを引き起こしてしまうことも。食べ物だけでなく、湿気の多い風呂場や風通しの悪いクローゼットなども繁殖しやすい場所です。

コウジカビ

アスペルギルスとも呼ばれるカビのことで、家の中だけでなく自然界にも多く存在しています。非常に酵素力が強いカビと言われており、醤油・味噌・焼酎などの生成にも活用されるケースも多いでしょう。緑や黄土色、茶、黒、白など集落の色合いは菌種によってさまざまです。気管支喘息などのアレルギー症状や呼吸器疾患の要因物質の一つでもあります。

ススカビ

アルテルナリアとも呼ばれるカビのことで、ユニットバス・トイレ・キッチン・エアコンの内部など湿気の多い場所で増殖しやすいという特徴があります。名前の通りスス上に黒く広がり、壁を覆うように増殖。胞子が比較的軽く、大きいため空気中に舞いやすく、アレルギー性鼻炎の要因となることも。プラスチックにも増殖でき、プラスチックを腐らせてしまうほどの力が強い特徴もあります。

カビを発生さない対策方法とは?

住宅の調湿機能を高めることが重要

カビが好むのは、湿度が60%を超えるジメジメとした環境。カビを防ぐためには、カビが嫌いなだけでなく人間にとって住みやすい湿度である40~60%をキープすることがポイントです。そのためには住宅の調湿機能を高めることが重要。

天井や壁材を通気性に優れた、自然素材にする

湿気をコントロールするひとつの方法として、壁材を自然素材のものにする方法があります。一般的な住宅では、工期が短く費用も抑えられる壁材・ビニールクロスを採用。

しかし、ビニールクロスは通気性・透湿性に弱く、室内に湿気を閉じ込めてカビが発生しやすい環境を作る原因になります。カビの発生を防ぐ通気性に優れた壁材は、珪藻土(けいそうど)や漆喰(しっくい)などの自然素材。微細な孔から湿気が出入りできるため、適度な湿度にコントロールしてカビの発生を抑えることが可能です。

カビによって起こる健康被害とは?

カビが大量に発生すると、壁が黒く汚れるだけでなく体へも悪影響を及ぼします。繁殖力が高いカビは胞子を飛ばしてからわずか10日ほどで大きく成長。どんどん拡大していくカビを吸い込むことで、人の体にさまざまな健康被害が生じる場合もあります。

ぜんそくやアレルギー性鼻炎・皮膚炎、接触性皮膚炎を発症するケースも

発生したカビから胞子が舞い空気中に漂うことで、人の体内へと吸い込まれます。異物が侵入したことで体内では防御反応が発生。しかし防御反応が正常に働かない場合には、ぜんそくやアレルギー性鼻炎・皮膚炎、接触性皮膚炎などが引き起こされます。

また梅雨をはじめとした湿気が多くなる時期に咳が続く場合、カビアレルギーの可能性も。カビを吸い込むことで咳や鼻水、かゆみなどが出るので家の中を清潔に保つことは大切ですが、症状によっては吸入ステロイドや点鼻薬などを処方してもらうこともあります。

吸い込んだカビが肺に入った時にはアレルギー反応が起こり、肺炎に繋がる危険性も。また、ぜんそく持ちの人でよく見られるのがアレルギー性気管支肺アスペルギルス症。ステロイドを長く使っている人に見られやすい症状ですが、引き続き長期間のステロイドの内服が必要になるので、副作用が出ていないか経過を診ながら注意深く治療を進める必要があります。