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東京で健康住宅に暮らすために知っておきたい基礎知識の一つに、電磁波があります。ここでは健康への被害もありえる携帯電話、パソコン、IH電化製品、オール電化住宅など、現代の住宅内に溢れている電磁波の種類・影響・対策についてまとめて紹介しています。
電磁波の定義は「電場と磁場が空気中を交互に伝搬していく周波数をもった波」で、電磁波の影響が及ぶ範囲を雷場と呼び、吸引力がある磁気がおよぶ範囲を磁場と呼びます。電磁波が発生する仕組みは、まず電流が流れるとその周囲に雷場と磁場が発生します。そしてこの2つが合わさった波が電磁波となるわけです。
ここでは雷場と磁場をもう少し詳しく説明しましょう。
雷場は電圧がかかるところに発生します。ブレーカーがオンになっている限り、住宅内の全ての配線からおよそ半径70cm、360度に発生しています。例を挙げると、コンセントが差し込まれた状態でスイッチがオフになっている卓上ランプのコードからも雷場は発生します。しかしコンセントが抜かれていれば雷場は発生しません。また、雷場はアースをとることで影響を軽減することができます。
磁場は電流が流れることにより発生するもので、電源プラグを差した状態でスイッチをオンにすると発生します。こちらは使用中の電化製品から離れることで、影響を軽減することができます。
私達が日常的に触れている電磁波には主に3つの種類があります。1つはWi-Fiやスマートフォン、電子レンジ、TVやFMラジオ放送に使用されている高周波電磁波で、周波数は10,000,000Hz(10MHz)~300,000,000,000Hz(300GHz)です。
2つ目は中間周波電磁波です。周波数は300Hz~10,000,000Hz(10MHz)で、家庭で使用するものでは電磁誘導加熱式(IH6)調理器がこれに該当します。
最後は超低周波電磁波です。周波数が0Hzより大きく300Hzまでの電磁波で、電気配線や家電製品によくある50Hz及び60Hzがそれで、商用周波電磁波とも呼ばれています。一般的な家庭内で最も多く発生しているものがこちらです。
電磁波の種類や発生する量により、生活に与える影響は異なります。ここでは家の内外で気を付けた方がよい電磁波の種類をご紹介します。
基本的には以下のような、使用時間が長く直接体に触れるものが、注意が必要な家電となります。通常は距離を取ることで対策できますので、電子レンジなどは使用中は離れるようにしましょう。
オール電化住宅によくあるIHクッキングヒーターは、強力な電磁波を発生します。また誰もが持っている携帯電話ですが、耳に当てているだけでも脳への影響があることは以前から言われており、諸外国では子供に対する携帯電話の規制は日本よりも厳しいものとなっています。それだけ影響があるということです。
電磁波は家の外からの影響もあります。市街地ではおよそ500メートル置きに存在する携帯電話の基地局やアンテナも大きく影響しており、周辺住民の中には吐き気や頭痛・めまい、うつ症状や睡眠障害などを訴える方もいるようです。
また高圧送電線鉄塔や電波塔、電力会社の地下送電線や変電所などからの影響も近くに住む場合は考えなければいけません。
家庭内の身近な電化製品から発生する電磁波を浴びることで、頭痛やめまい、目の疲れ、吐き気、体の痛みやだるさ、不眠などの症状が出るもので、電磁波に過敏な場合に起こります。スウェーデン、ドイツ、デンマークなどのヨーロッパ諸国では徐々に社会的に認知されており、健康保険の対象としての治療が進められています。
またシックハウス症候群に代表される化学物質過敏症も併発する場合があり、そうなってしまうと自分の家に住みながら多くの症状に悩まされることになります。
日常的に電磁波にさらされていると、大脳の血流が低下して疲れを感じ慢性疲労性症候群になることがあります。パソコンや携帯電話の普及が大きく進み、現代の慢性疲労性症候群の患者の95%は電磁波過敏症によるものだという報告もされています。
電磁波は静電気も発生させますので、静電気により微細なゴミである浮遊粉じんが集まり、皮膚が反応してしまう場合があります。浮遊粉じんの例としては、よくテレビや冷蔵庫の後ろの壁が埃っぽくなり黒ずんでいるのを見たことがあると思いますが、あれが電化製品の静電気により引き寄せられた微細なゴミです。
こまめに壁の拭き掃除をしたり掃除機をかけるなどして、なるべく浮遊粉じんを住宅内に滞在させないことは一つの対策ですが、何よりも電磁波を減らすことが原因の根本的対策となります。
これは家庭内の電磁波と言うよりもレーダー基地局や放送局、携帯電話基地局などからの強い電磁波による報告がいくつかあり、米国なども含めこれらの電波塔からの影響のある地域に住む住人のガンが増加しているというケースがあります。
参照元URL:千癒の家(https://www.ykhome.co.jp/blog/13315/)
まず住宅建築を考えているのであれば、できるだけ外部からの電磁波の影響を受けない立地を選ぶことから始めましょう。土地を購入する際は、近隣に携帯電話の基地局やアンテナ、高圧送電線鉄塔や電波塔、電力会社の地下送電線や変電所がないかを調査することが重要です。また将来的に建設予定があるかも可能な限り調べることをお勧めします。
200V以上が主流の海外と比較して、100Vの日本の電化製品にはアースがあるものが少ないのですが、実はこのアースは発生する電場を抑えてくれます。ですからアースがないことにより、電場が家庭内に放出されてしまいます。パソコンなどのように距離を取ることができない電化製品は、アースを繋ぐといいでしょう。
日本の住宅の電磁波量は世界の中でも多いのをご存知でしょうか?便利な家電製品が増えたことにより、日本の住宅の電気配線の量は増加しました。壁や床、天井に隠れて見えませんが、一軒あたり1kmほどの配線が家中に張り巡らされて、家自体が電磁波を発生してしまっている状態なのです。
これを対策するのがオールアース住宅です。特に木造住宅はそれ自体が絶縁体のために電気の逃げ道がないので、オールアース住宅の対策効果が期待できます。オールアース住宅の仕組みは、導電性シートを壁や床に施工したりアース付きコンセントにすることで、電磁波をできる限りカットします。また電気の引込から分電盤までの配線近くに寝室や勉強部屋、リビングを配置しない設計も対策の一つです。