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ハウスダストの原因にもなるダニ。新建材と呼ばれる、安さと気密性の高さばかりを重視した建材を使った家が普及するのに伴い、ダニを原因とするアレルギーが増加しました。ここでは家の中でダニが発生する原因や対策方法について紹介します。
イエダニはねずみなどが家に侵入することで入り込みます。ツメダニは、ヒョウダニやコナダニに引き寄せられてきます。掃除のしにくい場所が多くある家は、さらにダニが発生しやすくなります。「毎日掃除をしているから大丈夫」と思われている場合でも、盲点になっている場所があるかもしれません。
日本では、高度経済成長期にあたる1960年代から屋内ダニが増加。値段の安さや工期を短縮できることから、「新建材」と呼ばれる建材が多く使われるようになりました。その結果、化学物質を含んだ気密性が過度に高い住宅が増えて、木と紙で作っていた風通しの良い家屋が減少。湿気や結露の多いジメジメとした住環境に悩まされる日本人が増える要因となりました。
また、必要以上に気密性が高いと、ダニを外へ出すことが難しく、家の中の空気が悪くなる原因に…。かといって気密性が低すぎると留めておくことができずに断熱性も下がってしまいます。暖房を使っている部屋と使っていない部屋で温度差が生まれると結露が起こりやすくなり、ダニの餌となるカビが発生。どんどんダニが増えていくのです。室内に結露やカビが発生しやすい環境はダニのパラダイス…。必然的にダニの死骸であるハウスダストを吸い込んで、アレルギーを発症する人が増えるのです。
マットやカーペットが敷かれた上で、食事をすると食べこぼしたものが床の上に落ちます。家の中でダニが発生しやすい場所は、床です。そのため床の掃除をおこたると、ダニが発生しやすくなります。また、人間の髪の毛やフケも、マットやカーペットの中に舞い込んでしまっています。日々の生活の中で、ダニが増殖しやすい環境をつくっていると言えます。
毎日、家の中をきれいに掃除していても、マットやカーペットが敷かれていると、ダニは繊維の中に入り込み増殖しやすい状態になっています。
カーペットの上に家具などが置いてあると、毎日それを除いて掃除をするわけにはいきません。同様に、掃除をするときに手が行き届かない場所は、ダニが発生しやすい場所となります。例えば冷蔵庫やテレビ、タンスの裏など。大物家電や家具は頻繁に動かすことができないため、ダニが最も好みやすい場所となります。
実際、家具の裏側に住人が回り込むことはほとんどありませんから、人体への影響が考えにくいと思われがちです。しかし、ダニが発生しやすい場所をそのまま放置しておいた結果、住人がくつろぐ場所、リビングなどに浸食し始める可能性が多いにしてあります。
また、家具の裏側だけではなく、ダニが発生しやすい場所として真っ先に思い浮かぶのが寝具です。寝具が置いてある場所、寝室や押し入れ、ベッドまわりやその下などもダニが発生しやすい場所となります。ダニは大変湿度を好むため、人間が寝ている間にかいた汗を寝具は吸い取ってしまい、それによって湿気がこもりやすくなるというわけです。
ダニが発生しない生活を送るためには、以上のことに気をつけるようにしましょう。
部屋に多く存在しているヒョウヒダニは、温度20~30℃、湿度60~80%の高温多湿を好みます。そのため、温度・湿度を管理することが重要!湿気や結露を防げる家であれば、人が住みやすくダニには厳しい環境に整えることができるので、ダニが発生しにくくなります。
健康住宅では、結露を防止するために湿気をコントロールする調湿建材を用います。吸湿と放湿の両方を行うため、適度な湿度にキープすることが可能。結露が発生しなくなり、ダニの発生を未然に防げます。
また外壁自体に除湿機能を持った自然素材・珪藻土を使うと、小さな穴から湿気を溜め込んだり放出したりと、湿気を巧みに操ることが可能です。
こまめに換気をすることで湿度が下がり、乾燥に弱いダニは住みにくくなります。また、こまめな掃除もダニを排除するためにはかかせません。最低でも週に2回は掃除をしましょう。掃除をこまめに行い、ダニの餌を減らし繁殖を阻止することが大切です。また、日光消毒も効果的と言われています。
森林や水中、人の住む住宅などありとあらゆる場所に存在するダニ。日本だけでも2,000種ほど発見されていますが、世界では50,000種いるとも言われています。
日本に生息するダニのうち、人間の体に害を及ぼすのは20%程度。屋内ダニと呼ばれる種類は、家庭内の寝具や敷物、衣類などに生息しています。なかでもチリダニ科に属するコナヒョウダニやヤケヒョウダニは死骸アレルギーの原因になるやっかいな存在です。またハウスダストから見つかる頻度が高いのが、生態についてわかっていない部分が多いナミホコリダニ。死骸だけでなく、フンも体内に吸い込んでしまうとアレルギーの原因となるため、家の中で発生させないことが効果的な対策方法になります。