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ここでは、住環境の原因によるアトピーや花粉症をはじめとしたアレルギー・鼻炎についてまとめています。かゆみや鼻水の症状で悩んでいる人はもちろん、お子さんに辛い思いをさせたくないという人にも知っておいてほしい原因と改善策をご紹介します。
空気中に含まれる汚染物質やカビ・ダニなどを吸い込むことでアレルギーや鼻炎の症状が出ます。
家の建材や新しくそろえた家具・カーテンなどにホルムアルデヒドが含まれていると、空気中に舞った拍子に吸い込んでアレルギーや鼻炎の原因になることがあります。
また、排気ガスやたばこの煙などの汚れた空気を吸い込むと、気道が刺激されるので、ぜんそくをはじめとした呼吸系のアレルギー疾患のリスクが高まります。
アレルギー性鼻炎を悪化させてしまう原因には、ダニのフンや死骸の存在が関係しています。実は、生きているダニだけではなく、フンや死骸もアレルゲンとなっているのです。ダニそのもの以上に、フンや死骸は飛散しやすく、アレルギーを起こしやすいといわれています。そのため、ホコリが多く積もっている家は、アレルギー性鼻炎を起こしやすいといえます。
大物電化製品や家具の裏は、掃除の手が行き届かない場所です。裏側を覗いてみると、ホコリが溜まっていませんか?通常のホコリのかたまりのように見えても、そこにはダニのフンや死骸が集まっている状態であると考え、しっかりと掃除をするように心がけましょう。
カーペットは湿気が溜まりやすいため、ダニにとって絶好の繁殖場所。食べこぼしや髪の毛などで汚れやすく、細かな部分は掃除しにくいため、ダニが増えてしまう原因になります。ダニアレルゲンを防ぐなら、できるだけカーペットは敷かずフローリングのまま生活するのが理想です。
できるだけ毎日床の掃除機がけを行いましょう。1m2あたり20秒以上の時間をかけて丁寧にかけるのがコツです。カーペットや畳、布団にはゆっくりとノズルを動かしながら掃除機をかけると、ダニやダニの糞を吸引しやすくなります。また、掃除機を利用する際は窓を開け、事前に拭き掃除をしておくとアレルゲンを含んだホコリが部屋に舞うのを防げます。
ダニは乾燥に弱いため、定期的に布団を天日干しするか布団乾燥機を利用するのがおすすめです。取り込む際ははたき落とすのではなく、掃除機がけをしてダニアレルゲンを吸いとりましょう。布団を干せない家庭では、1年に2回ほど専門業者に頼み、布団の丸洗いをお願いするのが有効です。
シーツや布団カバーもこまめな取替が大切です。防ダニ効果のある商品もあるのでチェックしてみてください。布団を敷いた直後は布団の中にいたダニの死骸や抜け殻、糞などが空気中に浮遊しやすいため、就寝30分以上前に窓を大きく開けた状態で敷くのが理想です。
カーペットや布団だけでなく、布製のソファ、カーテン、ぬいぐるみなどもダニが繁殖しやすい場所になります。こまめな掃除機がけや洗濯が大切。電気の傘やタンスの天板といったホコリが溜まりやすい部分も、年に1回はしっかり拭き掃除しましょう。
カビが増える大きな原因は「結露」。断熱が充分に機能していない住宅の場合、部屋と部屋で寒暖差が生まれて結露が発生しやすくなります。じめじめしたカビが好む環境になると、当然カビが発生…。人体に入ってアトピーやぜんそくの原因になるだけでなく、ダニの餌にもなるため、アレルギーや鼻炎の原因がますます増加してしまいます。
さまざまな色があるまだらのカビで、重症喘息の原因となる種類です。乾燥や高温に強く、さまざまな生活環境で増殖するのが特徴。食品や皮革製品、布団やカーペットなどいたるところに生えます。
緑色をしたカビで、胞子が2μm以下と小さいのが特徴です。気管支の奥まで到達しやすく、アレルギー疾患の原因となります。屋内の生活環境で生育しやすく、餅やパン、ミカンなどに生えるカビです。
その名の通り黒い斑点状のカビです。湿気が多いところはもちろん、ホコリの中から見つかることも。浴室やトイレの壁、タイルの目地、エアコンや加湿器の内部などによく見られます。
主に屋外に飛散しているカビですが、屋内の水回りにも見られる種類です。多湿を好む傾向にあります。アレルギー性鼻炎や気管支喘息の原因となり、抗カビ剤が効きにくいのが特徴です。
家具を壁にぴったりつけていると通気性が悪くなるため湿気が溜まり、カビが発生しやすくなります。
部屋の天井付近は湿気の多い空気が溜まりやすいため、カビにとって繁殖しやすい環境です。とくに陽が入りにくい北向きの部屋や気密性の高い部屋は結露しやすいので注意しましょう。
閉め切りがちな押入れは湿度が高くなりやすく、収納している寝具やマットでカビが繁殖するケースがよく見られます。
エアコンの内部はカビが繁殖しやすい20~35度付近、冷たい空気と熱い空気が内部で触れ合うことで結露し、カビの繁殖に好都合な条件が揃っています。室内のカビ胞子がフィルターに吸着し、繁殖しはじめます。
畳に使われているイ草は空気中の湿気やホコリを吸収する性質があり、畳内部は湿度が高くなりがち。そのため、カビが発生してしまうことがあります。
沸かしたお湯を使用する浴室は高温多湿。皮脂や垢といったカビの栄養源も溜まりやすいため、カビにとって繁殖しやすい場所です。
室内の風通しをよくし、湿気を溜めないことがカビアレルゲン対策の第一歩。換気を行ない、カビの発生しやすい場所では換気扇をつけるなど通気性を高めましょう。カビは乾燥や熱に弱いため、水回りの小物は時々日光に当てるのがおすすめ。煮沸消毒も有効です。観葉植物や水槽などはできるだけ室内に置かず、空気清浄機を利用して室内の空気をきれいに保ちましょう。カビが発生した場合にはすぐに取り除いてください。
垢や石鹸カスはカビの栄養源になるので、使用後は浴室の壁や天井、流しなどをよく洗い流しましょう。水滴が残ると湿気が高くなり、カビの繁殖につながるためタオルで拭き取るようにしてください。
長期間使用していない間にフィルターでカビが大量に生育しているケースがよくあります。冷暖房のシーズンの変わり目は必ずフィルターを清掃。ホコリを掃除すると共に、フィルターを清潔に保ちましょう。
家具は壁にぴったりつけると湿気が溜まりやすいため、隙間を5cm以上あけるのが理想です。押し入れもスノコを敷き、壁や床と隙間を空けることで空気の通り道をつくります。プラスチック収納ケースや密閉された収納ケースの中でカビが繁殖することもあるため、乾燥材を入れておくと予防になるでしょう。
住宅用の建材としておもに使われているのが、薄い板を張り合わせた合板フローリングです。科学物質を含んだ接着剤を使用するため、床や壁に用いるとアレルギーや鼻炎の原因に囲まれながら生活を送ることになってしまいます。そういった事態を防ぐためには、天然素材である無垢素材の建材を使用しましょう。
アレルギーや鼻炎の大きな原因であるカビやダニを防ぐこともポイントのひとつ。部屋の湿度が60%以下だとカビにとって厳しい環境になるので、発生を防ぐことができます。そのため、湿度が高くならないように換気を充分に行って、寒暖差を生まないことが大切です。窓を南向きに作れば自然光が適度に入ってくるので、家の中が冷えすぎることがなく、湿気をおさえられます。また、壁際や隅にはどうしても湿気が溜まってしまうので、小さなお子さんが長い時間を過ごす部屋は、風通しをとくに意識してあげてください。
ダニやホコリだけでなく、建物全体すら原因になることがある、アレルギーや鼻炎。空気中の成分が目・鼻・口から入ることにより、くしゃみや鼻水、目・喉の違和感、頭痛などを引き起こします。
アレルギー性鼻炎や気管支喘息は年々増加傾向にありますが、増え始めたのは昭和41年あたりから。この頃には化学物質を含んだ新建材が使用されるようになり、健康を損ないかねない成分が入っていても、「安く作れて、費用がかからない」という理由で用いられていました。長い時間を過ごす住宅が原因となっている場合、ステロイドの使用や食事などいくら気にかけても症状が改善へと向かいにくくなります。