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木造住宅の耐火性について

木造住宅は火事に弱い?

木造住宅は木だから、無条件に火に弱いというのは思い込みです。鉄と比べれば木は燃えやすいですが、木造住宅で使われている木材は簡単に燃えるものばかりではありません。その理由を解説します。

木造住宅の耐火性を高める工夫

木造住宅では、建築基準法により「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」という防火材料があります。加熱をはじめてから何分までに燃焼しないことや、損害もなく、煙やガスが発生しないことなどの条件で決められているのです。

たとえば、不燃材料に分類されるものは火にさらされても20分まで燃えないですし、損傷もなく、ガスも発生しません。具体的には、コンクリートや石やロックウール、グラスウールが当てはまります。

不燃材料を建材に用いた家は簡単に燃えません。上手に組み合わせれば、燃えにくい木造家屋を建てられるのです。また、工法によっても耐火性は変わってきます。

延焼についても注意が必要

外壁や軒の裏側なども、耐火性を高めたほうがいいです。火災は自分の家から出火するだけとは限らず、もらい火のリスクがあります。特に住宅が密集しているエリアだと注意が必要です。そのため、外壁や軒の裏や屋根には不燃材料や準不燃材料が求められます。窓にも網入りガラスを採用すれば、耐火性を高められるのです。

木造住宅の部材は中まで燃えることが少ない

木造住宅で耐火性を高めるには、使用する部材にも注目してみてください。燃えやすい素材とは真逆の燃えにくい素材もあるからです。燃えにくい素材を多く使用すれば、耐火性を高めることができます。木造家屋の部材は万が一燃えても表面だけ炭化し、内部までは燃えないことが多いのです。炭化することで酸素が中に入りづらくなり、木材の中まで火が回りにくくなることが理由として考えられています。

ツーバイフォーは燃えにくいとされる工法

ツーバイフォー(2×4)は木造住宅の工法として一般的に採用されていますが、耐火性の高い工法としても知られているのです。2インチ×4インチの柱を枠とし、壁や床を面として組み上げていきます。

同時に、厚さ12㎜以上の石膏ボードや厚さ30㎜以上の木材、断熱材によるファイアーストップ材を用いた、ファイアーストップ構造を形成します。ファイアーストップ材と共に、空気の流れを遮断する構造のため火の広がりを防げるのです。

住宅の耐火性に関する基準

火災が終わるまで耐えられると確認されたものが耐火建築物です。国土交通大臣認定の法律で定められているのですが、具体的な数字で表します。耐火建築物と準耐火建築物と2つありますが、それぞれの基準を解説します。

耐火建築物

耐火建築物として認められるには、国土交通大臣認定の法律で定められた基準をクリアしなければなりません。耐火性能検証法に基づき、通常の火災でどこまで耐えられるかを検証します。明確な数字に照らし合わせ、どれだけ耐えられるか検証するためごまかしは効きません。たとえば床や柱や壁は1時間、階段は30分という具合です。

建築物の階数でも基準が異なり、最上階から数えた階数が5以上で14以内の階なら、床や柱や壁は2時間耐えるものが求められます。

準耐火建築物

耐火建築物以外に準耐火建築物があります。準耐火建築物も国土交通大臣が定めた基準をクリアしなければなりません。ただし、耐火建築物よりも基準は緩やかな設定です。階数が低い、延床面積が小さい建物が当てはまる基準に設定されています。

隣家から延焼しづらくするため、外壁や軒裏を防火構造にして30分耐えられるというように、細かく定められているのです。対価建築物も準耐火建築物も自分の家を守るのと同時に、延焼によって火災を大きなものにして、住む人の生命や財産を守るために定められています。

木材によって異なる耐火性

木造家屋に使われる木材でも、耐火性が違います。火事にも負けない家を建てるためにどんな木材が火に強いかご紹介します。

杉材

無垢材や集成材があり、燃えにくい木材です。大学や大手メーカーでも耐火性のある杉の集成材が開発されています。耐火建築物でも杉材を採用しているところも多いです。対価という点で期待は持てますが、集成材の場合、化学物質の含まれる接着剤が使われています。接着剤は熱が入ると溶けますし、機能が失われると、集成材が裂けるといった損傷につながるのです。

接着剤から生じるガスや裂け目に酸素が入れば強く燃えます。手を加えて耐火性能のある集成材にしているなら別ですが、無垢材でも一定の耐火性はあります。

檜材

檜は強度の高い木材です。耐火建築物の構造体や屋根にも使われるほど、高い耐火性能を持っています。無垢材の調湿効果により、水分を含んで燃えにくいともいわれているのです。集成材にしても、一定の強度や耐火性を確保できるため、耐火性を優先した木材家屋なら十分選択肢に入ります。

ただし、水分を多く含んでいる木材は、建築後に乾燥するとヒビや反りが生じやすくなるのはリスクです。檜を家屋に使うなら水分率20%以下を基準として選んだほうがいいでしょう。

珪藻土

珪藻土は自然派住宅ではおなじみの素材。調湿性だけ注目されがちですが、耐火性でも珪藻土は優れています。不燃性で高い耐火性能を持っているため、七輪やコンロの材料としても使われているほどです。混ざり物のない珪藻土の抗生物質は鉱物と土ですから、火に強く焦げる程度で治まります。空気も含んでおり、熱を伝えづらいといわれる素材です。

ただし、珪藻土を建材として使う際に、固めるため接着剤や化学樹脂を使用しているかどうかは確かめたほうがいいでしょう。接着剤や化学樹脂が熱になって燃えると有毒ガスが発生するからです。耐火性能と共に、万が一火事になったときのため、珪藻土を使用するなら施工主に確かめることをおすすめします。

漆喰

漆喰は壁材で採用されています。燃えにくい素材で、建築基準法でも不燃材料として認められているほどです。純粋な漆喰は万が一燃えても有毒ガスが発生しにくいのも利点。火災の際は有毒ガスによる二次被害についても検討して選んだほうが無難です。

実際、昔の蔵や建物では貴重品を火災から守るために、漆喰を塗った土壁がよく見られます。

耐火性が高い素材でも注意が必要

耐火性の高い木造家屋を検討するなら、素材についても意識したほうがいいです。スチロールやウレタンといった断熱材、塩化ビニールやポリエステルのように、新しく開発された建材は新建材と呼ばれています。新建材の中には、燃えたときに有毒ガスを発生させるものがあるのです。たとえばウレタンは、燃えると青酸ガスを発生させます。

壁紙のビニールクロスの原材料は塩化ビニールで、燃えるとダイオキシンを発生させるのです。耐火性が高い素材も、万が一のときを考えて、有毒ガスを発生させるものかどうかも考慮に入れたほうがいいでしょう。